お知らせ
映画『兄を持ち運べるサイズに』関係者試写会・取材会レポート
いよいよ公開まで1ヶ月を切った、映画『兄を持ち運べるサイズに』。
物語の舞台となった多賀城市・塩竃市でも作品への期待感が高まっています!
11月28日(金)の公開に先立ち、せんだい・宮城フィルムコミッションは10月28日、撮影にご協力いただいた皆さま向けの関係者試写会と地元メディアを対象とした取材会を開きました。
試写会では、ロケ地としてご協力いただいた方々をはじめ、自治体やメディア関係者をお招きし、一足早く作品をご覧いただきました。取材会では、脚本・監督を務めた中野量太さん、原作『兄の終い』の著者・村井理子さんにお越しいただき、作品に込めた思いや撮影の舞台裏を語っていただきました。
今回は、取材会の内容を一部ご紹介します!
多賀城市長も鑑賞
取材会の冒頭、作品をご覧になった深谷晃祐多賀城市長が「涙あり、笑いありで素晴らしい映画でした。家族の形、幸せの形は人それぞれ。市長として尊重して取り組まなければならないなと、仕事を絡めて考えさせられる作品でした」と感想を述べ、お2人に花束を渡しました。


演出でこだわり抜いたポイント
中野監督は、日本アカデミー賞をはじめ数多くの映画賞を席捲した『湯を沸かすほどの熱い愛』(2016)、海外でも大ヒットを記録した『浅田家!』(2020)など、映画監督として一貫して”家族”の姿を描き続けてきました。5年ぶりの本作で取り上げたのも、「兄の人生を終(しま)うための、家族のてんてこまいな4日間」。企画から時間をかけ、こだわり抜いて作り上げたといいます。
演出する上で特に難しかったポイントについて、中野監督が挙げたのは「すでに死んでしまっている兄をどのように登場させるか」。兄を幽霊として登場させるのはありきたりであり、その一方で回想シーンを使った展開は何だか味気ない・・・。新しい表現を模索した結果、“作家である主人公の頭の中身を映像に出す”という方法にたどり着いたと明かしました。
作品を観た村井さんは「自分の本が映像になるのは想像がつかなかったのですが、文字ってこうやって立体的になって動き出すんだな、不思議だなと感じました」と語ります。中野監督は「(今回の映画は)原作が6割、後から取材したエピソードが2割、僕のオリジナルが2割。オリジナルを入れる上でも、村井さんの想いは曲げちゃいけないし、気を付けて撮りました」と振り返りました。


取材会の様子
なぜ兄は多賀城に?
静岡県で生まれ育った村井さん。マイペースで自分勝手な兄に、幼いころから振り回されてきたといいます。本編で兄は一緒に暮らしていた母の病状が悪化すると、逃げるように生家を出て行く様子が描かれています。
兄はなぜ、遠く縁のない東北の地・多賀城市に移り住んだのか。村井さんは、長らく絶縁状態だった兄の事情については「震災後に仕事があったからでは…?」と、推察するにとどまっていたそう。それでも、遺品整理をする中で兄の元嫁・加奈子さんからの指摘で、魚屋がたくさんある風景や小さなスーパー、住宅街の雰囲気が、兄妹の故郷の港町に似ているということに気付かされたと話していました。
本作では、多賀城市のもう一つの側面として東日本大震災で大きな被害を受けたまちであるということにも触れています。中野監督は、兄のひととなりや多賀城市を知るにつれ、「兄は多賀城のまちの復興とともに、自分も復活したかったという思いがあったんじゃないか」と考えるようになったといいます。
中野監督は撮影地のリサーチを進める中で、市内で復興途上の場所も探していたものの、結果的に見つからなかったことを明かし、「ある意味、見つからなくてよかった。それはこのまちが復活したということ。ただ、事実としてこのまちは震災で被害があったまちということは絶対に描かなければいけないという使命感がありました」と語りました。
オダギリジョーさんは「兄にドンピシャ」
キャスティングについて、中野監督は「憎らしいけど、どこか好かれる兄のような人物を演じられる俳優で、ドンピシャなのがオダギリジョーしかいなかったんです」と一言。村井さんは、兄が母の葬儀で大騒ぎする様子も、妹に投げつけた心無い言動も、事実に忠実に描かれていたとした上で、「本当に不思議なことに、映画を観れば観るほど、オダギリさんが自分の兄に見えてくるんです。視線とか、ふとした表情とか、憎らしい表情とか・・・」と思いを馳せている様子でした。
普段はクールな役が多い柴咲コウさんを村井さん役に起用した点について、中野監督は「村井さんに寄せた役作りをやってくれるだろう」と期待を込めたといい、加奈子役の満島ひかりさんについては中野監督、村井さんともに「本当にイメージにピッタリでした」と語りました。

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©2025 「兄を持ち運べるサイズに」製作委員会
撮影時のエピソード
中野監督は、本作が実話である以上、実際の場所で撮影することにもこだわったと語ります。特に、ごみ処理場のシーンはごみ投入口からの落差が激しいため、大変な撮影になることが予想されたものの、「僕はどうしてもここでやりたい」と思いを貫き、実際に村井さんたちが遺品整理で訪れた宮城東部衛生処理組合でのロケを実現しました。
多賀城市役所での撮影時には、生前の兄が生活保護を申請した際に実際に窓口対応した職員もエキストラとして参加。中野監督は、俳優の前で職員に当時のエピソードを語ってもらう場を設けたことも大きかったといい、「同じ場所でひとつひとつやることが、この映画の良さになっていると思うし、ここにきて撮った意味は100%あったなと感じています」と振り返りました。
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©2025 「兄を持ち運べるサイズに」製作委員会
6年ぶりに歩く「第二の故郷」
村井さんがこの日の取材会のために多賀城入りしたのは、加奈子さんと共に良一君を迎えに来た時以来、実に6年ぶり。村井さんは多賀城市を「第二の故郷」と表現し、この日も朝9時から多賀城市役所や地元スーパーの「ミラックマツヤ」、多賀城小学校など、兄の生活圏や自身が“兄の後始末”で訪れた場所を巡り、何百枚も写真を撮って加奈子さんと共有したそう。 久しぶりの多賀城市の印象を問われ、「どこを見ても、兄が見ていた景色なのでやっぱり切ないですね」と話していました。
トークショーも開催
同日には、ロケ地となった多賀城市立図書館でトークショーも開催され、お2人が原作ファンや市民の皆さんら約50人を前に作品の見所などを語りました。参加者の中には、なんと良一君の元担任の先生も…!出席者からは「釜山国際映画祭での反応は?」「多賀城・塩竈で良かったロケーションは?」といった質問も飛び出し、和やかな交流が生まれていました。
宮城県民へのメッセージ
中野監督:この映画は、観た方に「明日の自分の話」として受け取ってもらえるかと思います。多賀城市が舞台になっていますし、身近に感じていただいて、地元の皆さんにも愛してもらえる映画になっていると思います。ぜひ観てください!
村井さん:好きだよ、多賀城!ここで上映することももちろんですが、私自身ももう一度戻ってこられてとても嬉しいです。

11月28日(金)公開の映画『兄を持ち運べるサイズに』。
誰もが”家族”を想い、温かな希望あふれる作品となっています。
せんだい・宮城フィルムコミッションは、本作の宮城ロケ地マップを配布中!
また、宮城県内での撮影の様子などを掲載した特集サイトも公開しています。
劇場でのご鑑賞と併せて、ぜひ物語の舞台となった多賀城市・塩竃市にも足をお運びください♪
映画『兄を持ち運べるサイズに』公式サイト
https://www.culture-pub.jp/ani-movie/
せんだい・宮城フィルムコミッション 映画『兄を持ち運べるサイズに』特集サイト
https://smfc-feature.com/ani-size/
映画『兄を持ち運べるサイズに』ロケ地マップを配布します!(お知らせ)
https://www.sendaimiyagi-fc.jp/news/ani_size-locationmap/